緊急停止信号を出す防護無線の誤作動でJR札幌駅発着の全列車が五時間半にわたり停止し、約十一万人に影響した昨年十二月十四日のトラブルの原因について、JR北海道は八日、無線機内の部品にさびと結露が発生しショートした可能性が高いとする調査結果を発表した。北海道総合通信局は同日、すべての防護無線の点検を同社とJR貨物に要請した。
JR北海道は誤作動した列車十七本の防護無線五十三台の当時の電波の強弱から、札幌-桑園間を走っていた回送列車を発信源と推定。精密検査を委託された製造元の日本電気が、この列車の防護無線内にある電源ランプ用の発光ダイオードにさびを確認、回路の基板に結露の跡を見つけた。残りの防護無線五十二台には異常はなかった。
再現実験で誤作動は起こらなかったが、JR東日本で過去に無線内の結露による誤作動があったことや、同じく検査に当たった鉄道総合技術研究所の見解から、さびの一部が基板に落ち、結露の水分でショートした可能性が高いと結論づけた。
さびがあった防護無線は二十二年前の製造で、分解点検は一度も行われてこなかった。JR北海道の菅原重光鉄道事業本部長は「定期点検不要の仕組みだが、点検していれば老朽化を把握できたかもしれない」と反省。無線内に乾燥剤を取り付ける緊急措置を行う一方、デジタル式防護無線に一新する六月以降は定期点検の実施を検討する。
(北海道新聞より引用)
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