「サンショウキョウドウ」を知っていますか? 漢字で書けば「産消協働」。道産品やサービスなどをできるだけ道内で消費しようとする道民運動だ。道が音頭をとるが、浸透はいまひとつ。そこで、道は食材や容器まで道産品だけを使った弁当を道内企業とともに開発、「さっぽろ雪まつり」期間中に札幌などで限定販売し、こだわりの味でお堅い言葉の知名度アップを狙う。
産消協働は道の造語。農産物を地元で消費する「地産地消」の考え方を産業全般に広げた。二○○五年一月、「真っ先に選びたい、道産のもの・サービス」などの道民宣言を採択して運動は始まり、同年三月には高橋はるみ知事もテレビCMに出演してPR。先進事例集の作成やシンポジウム開催で浸透に努めてきた。
だが、道が○六年度に道内企業が食材などの地元資源をどれだけ製品開発に活用しているかを調べたところ、回答した六百一社中、活用していたのは七十社、11%にとどまり、運動が広まっていない実態が分かった。
道は「運動が始まってまだ四年目。道民の認知度は確かにまだまだ」(知事政策部)と認め、産消協働推進道民会議の座長を昨年まで務めた釧路公立大の小磯修二教授も「道産米人気が高まるなど、食の分野へは理念が浸透しつつあるが、『衣』『住』など他分野へはまだ浸透しきっていない。地道に運動を続けたい」と話す。
そんな中、道が「運動の理念をさらに多くの人に伝えるため」(商業経済交流課)に考えたのが、コンセプトから素材までとことん北海道にこだわった弁当。
札幌冬季五輪(一九七二年)ごろの「お子様ランチ」を、札幌の老舗料亭「さっぽろ浪花亭」のレシピによる大人の味付けで再現し、日糧製パン(札幌)の子会社ノースデリカが製造。米(ななつぼし)をはじめ、秋サケみそ漬け、カボチャのサラダなど八品のおかずもすべて道産品を使っている。弁当の容器とはしも道産間伐材。これを「さっぽろ雪まつり」期間中、「産消協働弁当」として売り出す。道は「この弁当を食べることで産消協働に一役買うことになる」(同課)と話す。
二千個限定で一個税込み九百八十円。二月四日からJR札幌駅構内の北海道どさんこプラザ札幌店、JR札幌駅と地下鉄大通駅のコンビニキヨスク、JR新千歳空港駅のキヨスク、丸井今井札幌本店の道産食品専門店きたキッチンで販売する。
(北海道新聞より引用)
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